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学習指導要領における消費者教育に関する主な内容

学習指導要領における消費者教育に関する主な内容

小学校学習指導要領(平成29年告示)

  1. ≪第1章 総則≫
    • 第2 教育課程の編成
      • 2 教科等横断的な視点に立った資質・能力の育成
        • (2) 各学校においては,児童や学校,地域の実態及び児童の発達の段階を考慮し,豊かな人生の実現や災害等を乗り越えて次代の社会を形成することに向けた現代的な諸課題に対応して求められる資質・能力を,教科等横断的な視点で育成していくことができるよう,各学校の特色を生かした教育課程の編成を図るものとする。
  2. ≪第2章 各教科 第2節 社会≫
    • 第2 各学年の目標及び内容
      1. 〔第3学年〕
        • 2 内 容
          • (2) 地域に見られる生産や販売の仕事について,学習の問題を追究・解決する活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
            1. ア 次のような知識及び技能を身に付けること。
              1. (イ) 販売の仕事は,消費者の多様な願いを踏まえ売り上げを高めるよう,工夫して行われていることを理解すること。
            2. イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
              1. (イ) 消費者の願い,販売の仕方,他地域や外国との関わりなどに着目して,販売に携わっている人々の仕事の様子を捉え,それらの仕事に見られる工夫を考え,表現すること。
      2. 〔第4学年〕
        • 2 内 容
          • (2) 人々の健康や生活環境を支える事業について,学習の問題を追究・解決する活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
          1. イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
            • (イ) 処理の仕組みや再利用,県内外の人々の協力などに着目して,廃棄物の処理のための事業の様子を捉え,その事業が果たす役割を考え,表現すること。
      3. 〔第5学年〕
        1. 2 内 容
            • (2) 我が国の農業や水産業における食料生産について,学習の問題を追究・解決する活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
            1. ア 次のような知識及び技能を身に付けること。
              1. (イ) 食料生産に関わる人々は,生産性や品質を高めるよう努力したり輸送方法や販売方法を工夫したりして,良質な食料を消費地に届けるなど,食料生産を支えていることを理解すること。
            2. イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
              1. (ア) 生産物の種類や分布,生産量の変化,輸入など外国との関わりなどに着目して,食料生産の概要を捉え,食料生産が国民生活に果たす役割を考え,表現すること。
              2. (イ) 生産の工程,人々の協力関係,技術の向上,輸送,価格や費用などに着目して,食料生産に関わる人々の工夫や努力を捉え,その働きを考え,表現すること。
            • (3) 我が国の工業生産について,学習の問題を追究・解決する活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
            1. ア 次のような知識及び技能を身に付けること。
              1. (イ) 工業生産に関わる人々は,消費者の需要や社会の変化に対応し,優れた製品を生産するよう様々な工夫や努力をして,工業生産を支えていることを理解すること。
            2. イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
              1. (ア) 工業の種類,工業の盛んな地域の分布,工業製品の改良などに着目して,工業生産の概要を捉え,工業生産が国民生活に果たす役割を考え,表現すること。
              2. (イ) 製造の工程,工場相互の協力関係,優れた技術などに着目して,工業生産に関わる人々の工夫や努力を捉え,その働きを考え,表現すること。
            • (4) 我が国の産業と情報との関わりについて,学習の問題を追究・解決する活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
            1. ア 次のような知識及び技能を身に付けること。
              1. (イ) 大量の情報や情報通信技術の活用は,様々な産業を発展させ,国民生活を向上させていることを理解すること。
            2. イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
              1. (ア) 情報を集め発信するまでの工夫や努力などに着目して,放送,新聞などの産業の様子を捉え,それらの産業が国民生活に果たす役割を考え,表現すること。
              2. (イ) 情報の種類,情報の活用の仕方などに着目して,産業における情報活用の現状を捉え,情報を生かして発展する産業が国民生活に果たす役割を考え,表現すること。
        2. 3 内容の取扱い
            • (2) 内容の(2)については,次のとおり取り扱うものとする。
              1. イ イの(ア)及び(イ)については,消費者や生産者の立場などから多角的に考えて,これからの農業などの発展について,自分の考えをまとめることができるよう配慮すること。
            • (3) 内容の(3)については,次のとおり取り扱うものとする。
              1. イ イの(ア)及び(イ)については,消費者や生産者の立場などから多角的に考えて,これからの工業の発展について,自分の考えをまとめることができるよう配慮すること。
            • (4) 内容の(4)については,次のとおり取り扱うものとする。
              1. イ アの(イ)及びイの(イ)については,情報や情報技術を活用して発展している販売,運輸,観光,医療,福祉などに関わる産業の中から選択して取り上げること。その際,産業と国民の立場から多角的に考えて,情報化の進展に伴う産業の発展や国民生活の向上について,自分の考えをまとめることができるよう配慮すること。
  3. ≪第2章 各教科 第8節 家庭≫
    • 第2 各学年の目標及び内容
      1. 〔第5学年及び第6学年〕
        • 1 内 容
          C 消費生活・環境
          • 次の(1)及び(2)の項目について,課題をもって,持続可能な社会の構築に向けて身近な消費生活と環境を考え,工夫する活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
            1. (1) 物や金銭の使い方と買物
              1. ア 次のような知識及び技能を身に付けること。
                1. (ア) 買物の仕組みや消費者の役割が分かり,物や金銭の大切さと計画的な使い方について理解すること。
                2. (イ) 身近な物の選び方,買い方を理解し,購入するために必要な情報の収集・整理が適切にできること。
            2. (2) 環境に配慮した生活
              1. (イ) 消費者の願い,販売の仕方,他地域や外国との関わりなどに着目して,販売に携わっている人々の仕事の様子を捉え,それらの仕事に見られる工夫を考え,表現すること。
        • 2 内容の取扱い
          • (3) 内容の「C消費生活・環境」については,次のとおり取り扱うこと。
            1. イ (1)のアの(ア)については,売買契約の基礎について触れること。
            2. ウ (2)については,内容の「B衣食住の生活」との関連を図り,実践的に学習できるようにすること。
      2. ≪第3章 特別の教科 道徳≫
        • 第2 内 容
          1. A 主として自分自身に関すること
            [節度,節制]
            • 〔第1学年及び第2学年〕
              • 健康や安全に気を付け,物や金銭を大切にし,身の回りを整え,わがままをしないで,規則正しい生活をすること。
            • 〔第3学年及び第4学年〕
              • 自分でできることは自分でやり,安全に気を付け,よく考えて行動し,節度のある生活をすること。
            • 〔第5学年及び第6学年〕
              • 安全に気を付けることや,生活習慣の大切さについて理解し,自分の生活を見直し,節度を守り節制に心掛けること。
          2. C 主として集団や社会との関わりに関すること
            [規則の尊重]
            • 〔第1学年及び第2学年〕
              • 約束やきまりを守り,みんなが使う物を大切にすること。
            • 〔第3学年及び第4学年〕
              • 約束や社会のきまりの意義を理解し,それらを守ること。
            • 〔第5学年及び第6学年〕
              • 法やきまりの意義を理解した上で進んでそれらを守り,自他の権利を大切にし,義務を果たすこと。

中学校学習指導要領(平成29年告示)

  1. ≪第1章 総則≫
    • 第2 教育課程の編成
      • 2 教科等横断的な視点に立った資質・能力の育成
        • (2) 各学校においては,生徒や学校,地域の実態及び生徒の発達の段階を考慮し,豊かな人生の実現や災害等を乗り越えて次代の社会を形成することに向けた現代的な諸課題に対応して求められる資質・能力を,教科等横断的な視点で育成していくことができるよう,各学校の特色を生かした教育課程の編成を図るものとする。
  2. ≪第2章 各教科 第2節 社会≫
    • 第2 各学年の目標及び内容
      1. 〔公民的分野〕
        • 2 内 容
          1. A 私たちと現代社会
            • (2) 現代社会を捉える枠組み
              対立と合意,効率と公正などに着目して,課題を追究したり解決したりする活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
              1. ア 次のような知識及び技能を身に付けること。
                1. (イ) 人間は本来社会的存在であることを基に,個人の尊厳と両性の本質的平等,契約の重要性やそれを守ることの意義及び個人の責任について理解すること。
              2. イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
                1. (ア) 社会生活における物事の決定の仕方,契約を通した個人と社会との関係,きまりの役割について多面的・多角的に考察し,表現すること。
            • B 私たちと経済
              • (1) 市場の働きと経済
                対立と合意,効率と公正,分業と交換,希少性などに着目して,課題を追究したり解決したりする活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
                1. ア 次のような知識及び技能を身に付けること。
                  1. (ア) 身近な消費生活を中心に経済活動の意義について理解すること。
                  2. (ウ) 現代の生産や金融などの仕組みや働きを理解すること。
                2. イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
                  1. (ア) 個人や企業の経済活動における役割と責任について多面的・多角的に考察し,表現すること。
              • (2) 国民の生活と政府の役割
                対立と合意,効率と公正,分業と交換,希少性などに着目して,課題を追究したり解決したりする活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
                1. ア 次のような知識を身に付けること。
                  1. (ア) 社会資本の整備,公害の防止など環境の保全,少子高齢社会における社会保障の充実・安定化,消費者の保護について,それらの意義を理解すること。
                2. イ 国民の生活と福祉の向上を図ることに向けて,次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
                  1. (ア) 市場の働きに委ねることが難しい諸問題に関して,国や地方公共団体が果たす役割について多面的・多角的に考察,構想し,表現すること。
            • C 私たちと政治
              • (1) 人間の尊重と日本国憲法の基本的原則
                対立と合意,効率と公正,個人の尊重と法の支配,民主主義などに着目して,課題を追究したり解決したりする活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
              1. ア 次のような知識を身に付けること。
                • (ア) 人間の尊重についての考え方を,基本的人権を中心に深め,法の意義を理解すること。
        • 3 内容の取扱い
          1. (3) 内容のBについては,次のとおり取り扱うものとする。
              1. ア (1)については,次のとおり取り扱うものとすること。
                1. (イ) イの(ア)の「個人や企業の経済活動における役割と責任」については,起業について触れるとともに,経済活動や起業などを支える金融などの働きについて取り扱うこと。<後略>
              2. イ (2)については,次のとおり取り扱うものとすること。
                1. (ア) アの(ア)の「消費者の保護」については,消費者の自立の支援なども含めた消費者行政を取り扱うこと。
  3. ≪第2章 各教科 第8節 技術・家庭≫
    • 第2 各分野の目標及び内容
      1. 〔家庭分野〕
        • 2 内 容
          1. C 消費生活・環境
            • (2) 現代社会を捉える枠組み
              次の(1)から(3)までの項目について,課題をもって,持続可能な社会の構築に向けて考え,工夫する活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
              1. (1) 金銭の管理と購入
                1. ア 次のような知識及び技能を身に付けること。
                  1. (ア) 購入方法や支払い方法の特徴が分かり,計画的な金銭管理の必要性について理解すること。
                  2. (イ) 売買契約の仕組み,消費者被害の背景とその対応について理解し,物資・サービスの選択に必要な情報の収集・整理が適切にできること。
                2. イ 物資・サービスの選択に必要な情報を活用して購入について考え,工夫すること。
              2. (2) 消費者の権利と責任
                1. ア 消費者の基本的な権利と責任,自分や家族の消費生活が環境や社会に及ぼす影響について理解すること。
                2. イ 身近な消費生活について,自立した消費者としての責任ある消費行動を考え,工夫すること。
              3. (3) 消費生活・環境についての課題と実践
                1. ア 自分や家族の消費生活の中から問題を見いだして課題を設定し,その解決に向けて環境に配慮した消費生活を考え,計画を立てて実践できること。
            • B 私たちと経済
              • (1) 市場の働きと経済
                対立と合意,効率と公正,分業と交換,希少性などに着目して,課題を追究したり解決したりする活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
                1. ア 次のような知識及び技能を身に付けること。
                  1. (ア) 身近な消費生活を中心に経済活動の意義について理解すること。
                  2. (ウ) 現代の生産や金融などの仕組みや働きを理解すること。
                2. イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
                  1. (ア) 個人や企業の経済活動における役割と責任について多面的・多角的に考察し,表現すること。
              • (2) 国民の生活と政府の役割
                対立と合意,効率と公正,分業と交換,希少性などに着目して,課題を追究したり解決したりする活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
                1. ア 次のような知識を身に付けること。
                  1. (ア) 社会資本の整備,公害の防止など環境の保全,少子高齢社会における社会保障の充実・安定化,消費者の保護について,それらの意義を理解すること。
                2. イ 国民の生活と福祉の向上を図ることに向けて,次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
                  1. (ア) 市場の働きに委ねることが難しい諸問題に関して,国や地方公共団体が果たす役割について多面的・多角的に考察,構想し,表現すること。
            • C 私たちと政治
              • (1) 人間の尊重と日本国憲法の基本的原則
                対立と合意,効率と公正,個人の尊重と法の支配,民主主義などに着目して,課題を追究したり解決したりする活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
              1. ア 次のような知識を身に付けること。
                • (ア) 人間の尊重についての考え方を,基本的人権を中心に深め,法の意義を理解すること。
        • 3 内容の取扱い
          1. C 消費生活・環境
            • (4) 内容の「C消費生活・環境」については,次のとおり取り扱うものとする。
              イ (1)については,中学生の身近な消費行動と関連を図った物資・サービスや消費者被害を扱うこと。アの(ア)については,クレジットなどの三者間契約についても扱うこと。
  4. ≪第3章 特別の教科 道徳≫
    • 第2 内 容
      1. A 主として自分自身に関すること
        • [節度,節制]
          望ましい生活習慣を身に付け,心身の健康の増進を図り,節度を守り節制に心掛け,安全で調和のある生活をすること。
      2. C 主として集団や社会との関わりに関すること
        • [遵法精神,公徳心]
          法やきまりの意義を理解し,それらを進んで守るとともに,そのよりよい在り方について考え,自他の権利を大切にし,義務を果たして,規律ある安定した社会の実現に努めること。

高等学校学習指導要領(平成30年告示)

  1. ≪第1章 総則≫
    • 第2款 教育課程の編成
      • 2 教科等横断的な視点に立った資質・能力の育成
        • (2) 各学校においては,生徒や学校,地域の実態及び生徒の発達の段階を考慮し,豊かな人生の実現や災害等を乗り越えて次代の社会を形成することに向けた現代的な諸課題に対応して求められる資質・能力を,教科等横断的な視点で育成していくことができるよう,各学校の特色を生かした教育課程の編成を図るものとする。
  2. ≪第2章 各学科に共通する各教科 第3節 公民≫
    • 第2款 各科目
      1. 第1 公 共
        • 2 内 容
            • B 自立した主体としてよりよい社会の形成に参画する私たち
              自立した主体としてよりよい社会の形成に参画することに向けて,現実社会の諸課題に関わる具体的な主題を設定し,幸福,正義,公正などに着目して,他者と協働して主題を追究したり解決したりする活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
              1. ア 次のような知識及び技能を身に付けること。
                1. (ア) 法や規範の意義及び役割,多様な契約及び消費者の権利と責任,司法参加の意義などに関わる現実社会の事柄や課題を基に,憲法の下,適正な手続きに則のっとり,法や規範に基づいて各人の意見や利害を公平・公正に調整し,個人や社会の紛争を調停,解決することなどを通して,権利や自由が保障,実現され,社会の秩序が形成,維持されていくことについて理解すること。
                2. (ウ) 職業選択,雇用と労働問題,財政及び租税の役割,少子高齢社会における社会保障の充実・安定化,市場経済の機能と限界,金融の働き,経済のグローバル化と相互依存関係の深まり(国際社会における貧困や格差の問題を含む。)などに関わる現実社会の事柄や課題を基に,公正かつ自由な経済活動を行うことを通して資源の効率的な配分が図られること,市場経済システムを機能させたり国民福祉の向上に寄与したりする役割を政府などが担っていること及びより活発な経済活動と個人の尊重を共に成り立たせることが必要であることについて理解すること。
              2. イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
                1. (ア) アの(ア)から(ウ)までの事項について,法,政治及び経済などの側面を関連させ,自立した主体として解決が求められる具体的な主題を設定し,合意形成や社会参画を視野に入れながら,その主題の解決に向けて事実を基に協働して考察したり構想したりしたことを,論拠をもって表現すること。
        • 3 内容の取扱い
          1. (3) 内容の取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
              1. カ 内容のBについては,次のとおり取り扱うものとすること。
                1. (エ) アの(ア)の「法や規範の意義及び役割」については,法や道徳などの社会規範がそれぞれの役割を有していることや,法の役割の限界についても扱うこと。「多様な契約及び消費者の権利と責任」については,私法に関する基本的な考え方についても扱うこと。「司法参加の意義」については,裁判員制度についても扱うこと。
                2. (カ) アの(ウ)の「職業選択」については,産業構造の変化やその中での起業についての理解を深めることができるようにすること。「雇用と労働問題」については,仕事と生活の調和という観点から労働保護立法についても扱うこと。「財政及び租税の役割,少子高齢社会における社会保障の充実・安定化」については関連させて取り扱い,国際比較の観点から,我が国の財政の現状や少子高齢社会など,現代社会の特色を踏まえて財政の持続可能性と関連付けて扱うこと。「金融の働き」については,金融とは経済主体間の資金の融通であることの理解を基に,金融を通した経済活動の活性化についても触れること。「経済のグローバル化と相互依存関係の深まり(国際社会における貧困や格差の問題を含む。)」については,文化や宗教の多様性についても触れ,自他の文化などを尊重する相互理解と寛容の態度を養うことができるよう留意して指導すること。
      2. 第3 政治・経済
        • 2 内 容
          1. A 現代日本における政治・経済の諸課題
            • (1) 現代日本の政治・経済
              個人の尊厳と基本的人権の尊重,対立,協調,効率,公正などに着目して,現代の諸課題を追究したり解決に向けて構想したりする活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
              1. ア 次のような知識及び技能を身に付けること。
                1. (ア) 政治と法の意義と機能,基本的人権の保障と法の支配,権利と義務との関係,議会制民主主義,地方自治について,現実社会の諸事象を通して理解を深めること。
                2. (イ) 経済活動と市場,経済主体と経済循環,国民経済の大きさと経済成長,物価と景気変動,財政の働きと仕組み及び租税などの意義,金融の働きと仕組みについて,現実社会の諸事象を通して理解を深めること。
                3. (ウ) 現代日本の政治・経済に関する諸資料から,課題の解決に向けて考察,構想する際に必要な情報を適切かつ効果的に収集し,読み取る技能を身に付けること。
              2. イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
                1. (ア) 民主政治の本質を基に,日本国憲法と現代政治の在り方との関連について多面的・多角的に考察し,表現      すること。
                2. (イ) 政党政治や選挙などの観点から,望ましい政治の在り方及び主権者としての政治参加の在り方について多面的・多角的に考察,構想し,表現すること。
                3. (ウ) 経済活動と福祉の向上との関連について多面的・多角的に考察し,表現すること。
                4. (エ) 市場経済の機能と限界,持続可能な財政及び租税の在り方,金融を通した経済活動の活性化について多面的・多角的に考察,構想し,表現すること。
        • 3 内容の取扱い
          1. (2) 内容の取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
              1. ウ 内容のAについては,次のとおり取り扱うものとすること。
                1. (キ) (1)のイの(エ)の「市場経済の機能と限界」については,市場経済の効率性とともに,市場の失敗の補完の観点から,公害防止と環境保全,消費者に関する問題も扱うこと。また,「金融を通した経済活動の活性化」については,金融に関する技術変革と企業経営に関する金融の役割にも触れること。
  3. ≪第2章 各学科に共通する各教科 第9節 家庭≫
    • 第2款 各科目
      1. 第1 家庭基礎
        • 2 内 容
          1. C 持続可能な消費生活・環境
            • 次の(1)から(3)までの項目について,課題をもって,持続可能な社会の構築に向けて考え,工夫する活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
              1. (1) 生活における経済の計画
                1. ア 家計の構造や生活における経済と社会との関わり,家計管理について理解すること。
                2. イ 生涯を見通した生活における経済の管理や計画の重要性について,ライフステージや社会保障制度などと関連付けて考察すること。
              2. (2) 消費行動と意思決定
                1. ア 消費者の権利と責任を自覚して行動できるよう消費生活の現状と課題,消費行動における意思決定や契約の重要性,消費者保護の仕組みについて理解するとともに,生活情報を適切に収集・整理できること。
                2. イ 自立した消費者として,生活情報を活用し,適切な意思決定に基づいて行動することや責任ある消費について考察し,工夫すること。
              3. (3) 持続可能なライフスタイルと環境
                1. ア 生活と環境との関わりや持続可能な消費について理解するとともに,持続可能な社会へ参画することの意義について理解すること。
                2. イ 持続可能な社会を目指して主体的に行動できるよう,安全で安心な生活と消費について考察し,ライフスタイルを工夫すること。
        • 3 内容の取扱い
          1. (1) 内容の取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
            • オ 内容のCの指導に当たっては,A及びBの内容と相互に関連を図ることができるよう工夫すること。
          2. (2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
            • ウ 内容のCの(1)のイについては,将来にわたるリスクを想定して,不測の事態に備えた対応などについても触れること。(2)のアについては,多様な契約やその義務と権利について取り上げるとともに,消費者信用及びそれらをめぐる問題などを扱うこと。(3)については,環境負荷の少ない衣食住の生活の工夫に重点を置くこと。
  4. 第2 家庭総合
    • 2 内 容
      1. (1) 生活における経済の計画
        1. ア 次のような知識及び技能を身に付けること。
          1. (ア) 家計の構造について理解するとともに生活における経済と社会との関わりについて理解を深めること。
          2. (イ) 生涯を見通した生活における経済の管理や計画,リスク管理の考え方について理解を深め,情報の収集・整理が適切にできること。
        2. イ 生涯を見通した生活における経済の管理や計画の重要性について,ライフステージごとの課題や社会保障制度などと関連付けて考察し,工夫すること。
      2. (2) 消費行動と意思決定
        1. ア 次のような知識及び技能を身に付けること。
          1. (ア) 消費生活の現状と課題,消費行動における意思決定や責任ある消費の重要性について理解を深めるとともに,生活情報の収集・整理が適切にできること。
          2. (イ) 消費者の権利と責任を自覚して行動できるよう,消費者問題や消費者の自立と支援などについて理解するとともに,契約の重要性や消費者保護の仕組みについて理解を深めること。
        2. イ 自立した消費者として,生活情報を活用し,適切な意思決定に基づいて行動できるよう考察し,責任ある消費について工夫すること。
    • 3 内容の取扱い
      1. (1) 内容を取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
        1. オ 内容のCの指導に当たっては,A及びBの内容と相互に関連を図ることができるよう工夫すること。(2)については,消費生活に関する演習を取り入れるなど,理解を深めることができるよう努めること。
      2. (2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
        1. ウ 内容のCの(1)のアの(ア)については,キャッシュレス社会が家計に与える利便性と問題点を扱うこと。(イ)については,将来にわたるリスクを想定して,不測の事態に備えた対応などについて具体的な事例にも触れること。
          (2)のアの(イ)については,多様な契約やその義務と権利を取り上げるとともに消費者信用及びそれらをめぐる問題などを扱うこと。(3)については,生活と環境との関わりを具体的に理解させることに重点を置くこと。